まずは、お風呂の排水口がつまる原因を確認しましょう。主に排水口をつまらせる原因となっているものは以下です。
それぞれの性質によって重曹が有効なものとそうでないものがあります。あわせて確認していきましょう。
お風呂で髪の毛を洗うと、多くの髪の毛が排水口に流れ落ちます。具体的には、日本人は1日に50本〜100本の髪の毛が抜け落ちており、そのうち6割ほどがシャンプー時に抜けていると言われています。このようにお風呂の排水口には多くの髪の毛が流れていき、その発生を防ぐことは難しいです。
髪の毛は他の原因と絡み合うことで徐々に大きな固まりとなり、最終的につまりの原因となります。よって、髪の毛はお風呂の排水口がつまる原因の一つです。
髪の毛は主にタンパク質で出来ており、髪の毛を溶かすには水酸化ナトリウムや次亜塩素酸ナトリウムが含まれる洗剤を使うのが有効です。
排水口のつまりの原因となる石鹸カスは、シャンプーやボディーソープなどの油脂成分と皮脂汚れが混ざって出来たもので「酸性石鹸」というものです。
体を洗うと石鹸と皮脂が合わさり、床や壁に飛び散ったり排水口内へ流れたりして石鹸カスとなって残ります。粘性があり黒っぽい汚れが見えたら、それは石鹸カス(酸性石鹸)かもしれません。
酸性石鹸は酸性であるため、アルカリ性の重曹を使うと汚れが落ちやすくなります。
同じ石鹸カスに「金属石鹸」と呼ばれるものもあります。これは、鏡や蛇口、バスチェアなどに残る白い跡のような汚れで、石鹸が水道水のミネラル分と反応して発生します。アルカリ性の性質をもつため、酸性のクエン酸を使うと落としやすいです。
アカや皮脂汚れは、体から出る老廃物が蓄積されたものであり、入浴のたびに排水口に流れていきます。
アカや皮脂汚れの殆どは水と一緒に流れていきますが、排水口まわりや内部にも徐々に蓄積していきます。さらに、髪の毛や石鹸カスなどが残っているとそれらに絡まって、ぬめり汚れと化していきます。
アカや皮脂汚れは髪の毛の様に目立つ汚れではないので、気づいた時にはかなり汚れが溜まっていることもあります。
アカや皮脂汚れは酸性であるため、アルカリ性の重曹を使うと汚れが落ちやすくなります。
お風呂は水を使う場所であり、排水口は常に水に触れています。そして、カビは湿度が高い場所に発生しやすいため、お風呂の排水口はカビが発生しやすい場所です。
排水口にカビが発生すると泥臭いような臭いが漂うようになります。もし、排水口から泥臭いような臭いが漂っているのであれば排水口にカビが発生している可能性が高いです。
またカビは付着力が強いため、排水口の汚れと合わさると頑固な汚れになりつまりの原因が落としにくくなります。カビによるトラブルを発生させないためには、カビが小さい段階からしっかりと清掃をおこなっていくことが必要です。
排水口の頑固なカビを落とすには、カビ取り用洗浄剤を使うのが有効です。
詰替用容器の切れ端やカミソリのカバーなど、お風呂場に置いてあった小さなものが排水口に入ってしまうことがあります。ごく小さなものであればそのまま流れていくこともありますが、すでに汚れが蓄積し水の通り道が狭くなっている状態のところに引っかかってしまうと、つまりを深刻化させる可能性があります。
目皿などの網目が粗い場合や正しく装着できていない場合に、間をすり抜けて流れてしまうおそれがあります。排水口掃除の際も注意が必要です。
これらの固形物は溶かすことができないので、物理的に取り除く必要があります。
まずは、重曹とクエン酸を組み合わせることでどのような効果が得られるのかを紹介します。
重曹の正式名称は炭酸水素ナトリウムです。炭酸水素ナトリウムは重炭酸ソーダとも呼ばれており、こちらを略して重曹と呼ばれるようになりました。商品として販売される際は重曹といった名称になっていることが多いです。
重曹には以下のような特徴があります。
重曹が持っている弱アルカリ性の性質は、酸性の性質をもつつまり原因、皮脂汚れや石鹸カス(酸性石鹸)に有効です。消臭効果も期待できて一石二鳥です。重曹単独でも排水口の汚れ・臭いに効果を発揮すると覚えておきましょう。
クエン酸はレモンやグレープフルーツなど柑橘類に多く含まれている成分です。
クエン酸は弱酸性であることから、アルカリ性の汚れに有効ですが、前述したどの排水口のつまり原因にも効果を発揮しません。
しかし、水垢や金属石鹸の石鹸カスなどのアルカリ性の汚れには効果的です。
クエン酸単独で掃除をおこなうためには、クエン酸スプレーを作っておくと便利です。水200mlにクエン酸小さじ一杯ほどを混ぜスプレーボトルに入れて完成です。シュッと吹きかけ水拭きします。
クエン酸は自然由来であることから、お掃除の際に安全に使用ができる点もメリットです。
また後述しますが、重曹と組み合わせることで発泡し、泡の力で汚れを浮かす効果が生まれます。
では、重曹とクエン酸の組み合わせについて確認していきましょう。
重曹とクエン酸を混ぜると泡が発生します。泡は汚れを浮かす力を持っており、排水口にある汚れを剥がすことができます。しかし、この反応は中和反応であり、重曹とクエン酸のそれぞれの特徴は打ち消しあってしまいます。
ですので、重曹とクエン酸を組み合わせた掃除方法は性質による効果ではなく、泡による力がメインであると認識しておきましょう。ただし、前述のとおり重曹とクエン酸は効果を打ち消しあってしまうため、用いる目的に応じて使い分けると良いでしょう。
お掃除シーン | 組み合わせ |
酸性の汚れを落としたい場合 | 重曹のみを使用 |
アルカリ性の汚れを落としたい場合 | クエン酸のみを使用 |
泡の力で汚れを浮かせて落としたい場合 | 重曹+クエン酸を使用 |
ここからは、重曹とクエン酸の組み合わせで解消できる排水口のつまりについて解説します。
重曹とクエン酸を組み合わせると、石鹸カスやぬめりなどのヘドロ汚れを綺麗に落とすことが可能です。ただし重曹とクエン酸がつまりを解消する効果は限られており、この方法で解消できない場合は他の方法を試す必要があります。
重曹+クエン酸で解消できるつまりと解消できないつまりは以下の通りです。
解消できるケース
解消できないケース
重曹とクエン酸が反応すると大量の細かい泡が発生し、その発泡の力で排水口にこびりついた汚れを浮かせて落としやすくします。
それでは重曹とクエン酸を使って排水口のつまりを解消する方法を紹介します。
【用意するもの】
汚れに対して重曹とクエン酸の量が足りない場合は、量を調整しましょう。
重曹とクエン酸による発泡は二酸化炭素が発生します。二酸化炭素濃度が3%以上になると、頭痛やめまい・吐き気などを感じる恐れがあるため、必ず換気をしながら作業をおこなりましょう。
重曹・クエン酸だけであれば安全に使うことができますが、他の洗剤などと混ざると有毒なガスが発生することがあります。他の洗剤と混ぜて使用しないこと、洗剤の注意事項を厳守することを心がけましょう。
前述した通り、重曹とクエン酸の効果はそれほど強力なものではありません。そのため、これらを用いてもつまりが解消されない場合には次のような対処法を試してみましょう。
市販されている専用薬剤は重曹・クエン酸よりも強力な性質を持っています。そのため、つまりが強固な場合でも対処することが可能です。
ただし効果が強力な分、体に有害な成分も入っています。商品の裏に記載されている注意事項を厳守して使用していきましょう。
また、専用薬剤には液体タイプ、粉末タイプ、泡タイプがあり、自分にあったものを選ぶことが必要です。それぞれの特徴は以下のようになっています。
・液体タイプ
種類が豊富。性質が強力。強粘度タイプであれば側面に留まりやすく効果的。
・粉末タイプ
水と反応し発泡する強力な泡が汚れを分解。液体タイプと比べると種類は少ないが業務用レベルの製品もある。
・泡タイプ
泡状の洗剤。濃密泡が排水口全体にしっかり付着し汚れを分解。使用方法が簡単だが液体・ジェルタイプと比べると性質が弱い。
このようにタイプによって特徴が異なるため、つまりの現状などと照らし合わせながら購入をお進めください。専用薬剤選びに迷ったら、以下の記事を参考にしてくださいね。
ワイヤーブラシは、ワイヤーの先にブラシが付いている排水管専用の掃除器具です。ワイヤーブラシはつまりに直接アプローチできるため、頑固な汚れ・つまりの解消に効果を発揮します。
ワイヤーブラシを用いてつまりを解消していく手順は以下のようになります。
ただし、物理的に取り除く方法は排水口を傷つける可能性があります。つまりを物理的に取り除いていく際は力を入れすぎず、つまりのみを取っていく意識でおこなっていきましょう。
つまりが強力な場合は自分で対処がおこなえないことがあります。その場合は専門業者に依頼しましょう。
知識と経験が豊富な専門業者であれば、つまりの原因箇所を正しく特定し適切なアプローチをおこなってくれます。業者が使用する薬剤や器具は市販のものより強力なため、確実につまりを解消してくれるでしょう。
また、排水口や排水管の破損などがあればすぐに修理してもらえるため、もっともおすすめな対処法です。
業者を選ぶ際は以下のポイントを抑えておくといいでしょう。
これらのポイントを抑えている業者であると適切な作業をおこなってくれる可能性が高いです。これらはホームページに記載されていることが多いため、まずはホームページの確認から始めていきましょう。
業者へ依頼した際の費用相場は以下のとおりです。具体的な費用はつまりの状況や業者によって異なるため、あくまでも目安として参照いただき、具体的な費用については各業者へ見積もりを依頼して確認しましょう。
作業内容 | 費用相場 |
軽度なつまり除去 | 5,000~10,000円 |
トーラー | 10,000~30,000円 |
高圧洗浄機 | 15,000~45,000円 |
今回はお風呂の排水口に生じたつまりを重曹・クエン酸を用いて解消する方法をご紹介しました。
重曹+クエン酸の組み合わせによるつまり解消の効果は決して強力ではありません。重曹とクエン酸を使う方法を試しても改善されない場合は、この記事で紹介した別の方法を試してみましょう。
自分では対処できない場合や、道具や薬剤を購入するのが面倒と感じる場合には、速やかに専門業者に相談することがおすすめです。経験豊富な専門業者であれば、排水管内まで綺麗さっぱりつまりや汚れを取り除いてくれるでしょう。
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