水漏れの発生に気づいたときには応急処置として水を止めることが大事です。水が漏れていることで焦って対処してしまいがちですが、落ち着いて処置ができるよう本項では応急処置の方法を詳しく解説します。
洗濯機の水栓は壁から蛇口が出ている形状のものが多く、給水管が壁内に埋め込まれた隠蔽配管が主流です。隠蔽配管の場合、止水栓は設置されないので蛇口の水漏れを止めるには家の元栓を閉めて対処する必要があります。
水道の元栓は屋外に設置されています。戸建て住宅の場合は地中に埋めて設置されるのが基本で、青いふたがつけられています。マンションや団地では玄関横のパイプシャフトに設置されていることが多いです。一部の集合住宅ではすべての部屋の元栓をまとめて設置していることもあります。元栓は大きく3つのタイプがあり、それぞれ閉め方が異なるので以下を参考に閉めてください。
BOXを開けたときに樹脂製のハンドルがついている場合、ゲートバルブと呼ばれる元栓です。ゲートバルブはこのハンドルを回すことで開閉ができ、時計回りに回すことで元栓を閉めることができます。
パイプシャフトに設置されることが多いのはメーターユニットと呼ばれるタイプのもので、水道管にメーターが取り付けられたタイプです。こちらはつまみがついており、これを「止」に合わせることで止水できます。ボールバルブと呼ばれるタイプは戸建てで採用されることが多く、配管の途中に球形のバルブがあり、90°動かすことで開閉ができるようになっています。
元栓は家全体の水の供給を管理しているため、元栓を閉じることで洗濯機の蛇口だけでなくキッチンや浴室、トイレでも水が使用できなくなります。元栓を閉めることで水漏れは収まりますが、そのままでは不便であるため早めに修理を行うようにしましょう。
また、集合住宅のような物件では誤って他の部屋の元栓を閉めてしまう可能性があります。当然その部屋では元栓を開けるまで水が使えなくなるので注意しましょう。誤って元栓を閉めてしまったことでトラブルとなるおそれがあります。
洗濯機の蛇口からの水漏れと一言で言っても同じ原因で同じ場所から水漏れが起きるというわけではなくさまざまです。本項では水漏れが起きている場所から原因を調査する方法を解説します。
蛇口のハンドル部分は開閉のために頻繁に操作をするほか、洗濯機の水栓のように開けっ放しの状態にすることで常に水圧がかかり続ける場所でもあります。
蛇口のナットは金属製のため温度変化による収縮と膨張が起きます。それ以外にも僅かな振動や水圧による振動や経年劣化の影響もあり、長く使用しているとナットが緩んでしまうことがあります。経年劣化ではナット以外にも水に触れ、気温の影響を受けやすいパッキンも同様でこれらが原因でハンドル部分から水漏れが起きることがあります。
洗濯機の蛇口には吐水口が取り付けられますが、水栓と吐水口は別の部品のためこの接続部分からも水が漏れることがあります。特に吐水口の向きを変えることができる蛇口の場合は水漏れが起きやすい場所です。
吐水口の接続部分もナットが使用されているためこれが緩むことで水漏れが起きます。また、この部分にもパッキンが使用されており、形状からUパッキンと呼ばれています。Uパッキンが劣化することでも水漏れが起きる可能性があります。
洗濯機の蛇口では洗濯機のホースを接続しやすいように専用のニップルが使用されることがあります。このニップルからも水漏れをする可能性があります。
ニップルにもパッキンが使用されているためパッキンが劣化したことで水漏れが起きる可能性があります。特に洗濯ニップルは万が一ホースが外れたときに水漏れが起きないよう緊急止水弁がついているタイプが主流で、この部分に使われているバネなどの部品が故障することでも水漏れに繋がります。
洗濯水栓は壁から蛇口のみが生えているように設置されるケースが多く、設置の際には壁内の給水管と蛇口をつなぎます。接続部分にはシールテープを巻くことで水漏れの対策をしています。
ネジ山に巻くシールテープは水温や水圧の影響を受けて劣化をします。劣化することでシールが切れたり細くなり、そのすき間から水漏れが起きることがあります。また、洗濯機の蛇口だけでなく家中の水栓は経年劣化をします。錆びや水圧の影響で劣化した水栓の故障で水漏れが起きることもあります。
本項ではハンドル部分から水漏れが起きている場合の修理方法を解説します。自分で修理を行う方は参考にしてください。
ハンドル部分からの水漏れを確認したらまずはナットの緩みを確認しましょう。洗濯機の振動や温度変化によって徐々にナットが緩んでいることが原因の可能性があります。
ナットの緩みはモンキーレンチを使って簡単に直すことができます。ナットに傷がつかないようタオルを巻き、モンキーレンチでしっかりと挟みます。挟んだら時計回りに回転するようにナットを締めます。無理に行うと配管が折れることがあるので適度な強さで締めてください。ナットが締まり水が止まれば修理完了です。
三角パッキンはハンドルのナット部分に使用されるパッキンでナットを外すと内側についている黒いゴム製の部品です。
作業の際には元栓を閉め、蛇口から水が出ないことを確認してから作業を行います。まずはハンドルについているカラービスを取り外し、ハンドルも外します。その後モンキーレンチでナットを緩めて取り外し、ナットについている三角パッキンを新しいものに交換します。交換後はナットをしっかりと締め、ハンドル、カラービスの順で元に戻します。作業後に元栓を開けて水漏れがないことを確認して作業完了です。
ここでは吐水口の接続部分から水漏れが起きている場合の修理方法を紹介しますので修理を行う際の参考にしてください。
吐水口の接続部分からの水漏れもナットの緩みの可能性があるため、まずはナットの状態を確認して緩んでいたら締め直しましょう。こちらもモンキーレンチを使用して時計回りにナットを回して締めます。
吐水口の接続部分からの水漏れの場合、交換すべきなのはUパッキンと呼ばれるパッキンです。Uパッキンは吐水口についているリング状のパッキンで、断面がU字になるような溝がついています。
パッキン交換の際には吐水口を取り外すため一度元栓を閉めて作業を行います。モンキーレンチでナットを緩め、パイプを取り外します。パイプを取り外すと根元に黒いパッキンと白のリングがついているのでこれをそれぞれ新品のものに交換します。Uパッキンの水がある方を水栓側にして取り付けて元のように戻します。元栓を開栓して水漏れが起きないか確認して作業終了です。
ここからはニップルから水漏れしていることに気づいた場合の修理方法を解説します。
洗濯機水栓のニップルは緊急止水弁と呼ばれる水漏れを防ぐための部品がついており、常に水圧がかかっているため故障しやすい部品でもあります。緊急止水弁付きのニップルは安価なものであれば2,000円ほどで購入できるため、部品交換で対応するのではなく交換してしまうのがおすすめです。現在ただの単水栓を使用している家庭の場合にはニップルを緊急止水弁付きのものに交換することをおすすめしています。
緊急止水弁付きということで交換に手間がかかるように感じますが交換自体は難しくありません。まずは元栓を閉めたあとにモンキーレンチを使ってナットを緩め、ニップル部分を取り外します。ニップルを取り外したら新しいニップルを取り付けて水漏れが起きないようしっかりとナットを締めます。
緊急止水弁付きのニップルは開栓し、ハンドルを回してもホースが付いていなければ水が出ないことを確認してください。バケツを水受け代わりに用意し、吐水口から出ている部品を押し込むことで水が出る、手を離すと水が止まることを確認して工事は完了です。
この項では壁と水栓の間から水漏れをしているケースでDIYする場合の手順を解説します。ここまでの修理方法と異なり難易度が高いため無理をせず行うようにしましょう。
水栓自体は古くないのであればシールテープの劣化や破損による水漏れの可能性があります。とくに取付時に調整などを理由に反時計回りに水栓を回してしまっていたり、シールテープの巻く回数が少なかったりすると隙間が生じて水漏れにつながることがあります。
このようなケースではわざわざ水栓を交換する必要はなく、元栓を閉めて水が止まったことを確認してから水栓を取り外し、水栓側、給水管側それぞれのネジ部分を歯ブラシなどで掃除します。その後水栓側のネジに8周ほど時計回りでシールテープを巻き、なじませたら給水管と接続します。
シールテープを巻くときに注意したいことは2つあり、1つ目はすべてのネジにシールテープを巻かずに1山ほど残して巻くこと、2つ目は給水管と接続する際には時計回りに回し、戻さないことです。これらは水漏れやつまりの原因になるため行わないようにしましょう。
使用している洗濯水栓が古くなっているのであれば水栓交換をするのがおすすめです。水栓の寿命はおよそ10年ほどとされており、常に水圧がかかる洗濯水栓はさらに劣化しやすいため7年以上使用しているのであれば交換をしたほうがよいでしょう。
水栓交換の手順はシールテープを巻き直す方法と同じで、一度水栓を取り外して行います。水道の元栓を閉めて水が出ないことを確認したらモンキーレンチを使って水栓を取り外します。水栓を取り外したら給水管を歯ブラシなどで掃除しておきましょう。
まずは一度シールテープを巻かずに水栓を入れて何回転するかを確認します。その後シールテープを巻き、1回転分少なくなるように水栓を取り付けます。設置後に水漏れがないことを確認して作業は完了です。
さいごに洗濯水栓の蛇口から水漏れをしているときに修理で使用する道具を紹介します。自分で工事を行うことを考えている方はこれを参考にして購入をしてください。DIY成功のコツはあらかじめすべての道具を用意しておくことです。十分な準備をしてから工事に臨みましょう。
タオルは主に養生用として使用します。漏れている水を受け止めるのに役立つのはもちろんですが水漏れ箇所を特定するために部材を拭き上げたり、ナットで締める際に傷をつけないように間に噛ませるなどさまざまな役割があります。汚れを落とせる水拭きと乾拭き、下に敷いておくためのタオルと3枚以上用意しておくと安心して工事できます。
バケツの役割も主に養生用で、溢れてくる水を受け止める際に使用します。止水栓を閉めておけば水が溢れてくることは少ないですが、水漏れの水を受け止めるためや、水栓を外した際に出てくる配管に残った水を受け止める際に使用しましょう。
蛇口を交換する際には配管の汚れや錆びが出てくるため素手で作業を行うことでケガをしてしまうおそれがあります。ケガの防止のために軍手を付けておくと安全に作業ができるため用意しておきましょう。
また、ネジやナットを取り付ける際に素手で触ることで皮脂がつきます。皮脂は錆びの原因にもなり、シールテープの密着の妨げにもなるのでそういう意味でも軍手の装着が望ましいです。
モンキーレンチとは幅を自由に変えることができるレンチです。水栓部品は場所によてサイズが異なるのでレンチを何本も用意するよりもモンキーレンチを1本用意しておいたほうが便利です。モンキーレンチはホームセンターやネットで購入ができ、安価なものであれば1,000円ほどで購入できます。
ペンチは主に小さなビスを外すときに使用します。こちらもホームセンターやネットで購入できるのでモンキーレンチと合わせて購入しておくようにしましょう。
マイナスドライバーは一部のネジ式蛇口ハンドルを回す際に必要です。屋外にある水道ボックスが開かないときにはマイナスドライバーを差し込んでてこのように使うと開きやすくなります。
プラスドライバーは主にネジを締める際に使用します。古いニップルは蛇口のパイプ部分にネジを使って固定するタイプのものがあります。
シールテープは水栓と給水管の接続部分に使用する部材で、水栓を一度取り外すのであれば必要になります。正しく巻かなければ水漏れを防ぐことは難しく、僅かな隙間を埋めるための部材なので正しく使用しましょう。
シールテープはホームセンターやネット以外に100円均一ショップでも取り扱われるようになったため比較的手に入りやすくなりました。
パッキンは部品などの接合部分からの水漏れを防ぐために使われます。蛇口や水栓に使われているパッキンの耐用年数は10年ほどで、長年使用していると破損したり、細かいゴミが隙間に挟まったりすることで水栓がしっかり閉まらなくなり、吐水口からポタポタと水漏れします。
自分で交換する際はDIY用の複数のサイズがセットになったものを購入しておくと便利です。必要なパッキンのサイズがわからない場合は、パッキンの品番・型番をその蛇口や水栓のメーカーに問い合わせましょう。
元のパッキンの品番・型番を確認してから連絡を取るとスムーズに確認できます。製造が終了している場合は現物をホームセンターなどに持って行き、お店で確認してもらって、必ず同じサイズのパッキンを購入してください。
水漏れの修理では水栓交換を行うこともあるので交換用の部材を用意する必要があります。工事の途中に足りなくならないよう開封をしてすべての部品が揃っていることを確認して作業を始めましょう。
水栓以外にもスパウトやニップル、ハンドル、スピンドルなど部品ごとで取り寄せや購入することも可能です。
この記事では洗濯機の水栓から水漏れしているときの原因と修理方法を紹介しました。水漏れ箇所から原因を特定することが可能で、原因がわかれば自分でも修理を行うことができるため、まずは応急処置をしてから落ち着いて行動するようにしましょう。
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