トイレのつまりが発生した場合に悩むのは、「自力で解決を試みるか、すぐに業者に頼むか」でしょう。
結論からいえば、トイレットペーパーや排泄物が詰まっているといった軽度なトラブルなら、自力で解決できます。一方、重度のつまりや原因がわからない場合は、業者に依頼することをおすすめします。
自分で対処する場合は、ラバーカップを使います。ラバーカップは学校のトイレなどでよく見かける、棒の先に半球状のゴムが付いている道具です。通信販売やホームセンターなら、1,000円弱で買えるものもあります。業者に依頼する場合よりも安く済むのは、自分で解決することの最大のメリットといえるでしょう。
とはいえ、自力ではすぐに解決できないこともあるでしょう。結果的に時間や労力を無駄にしたくない場合は、すぐに業者に依頼するとよいでしょう。
業者に依頼する際の基準としては、以下の4つが考えられます。
・原因がわからない場合
・自分で修理したが解決できなかった場合
・便器の水が漏れそうな場合
・便器や排水管の奥に固形物が落ちた場合
排泄物かトイレットペーパーのつまりが原因であればよいのですが、原因が定かではない場合は業者に依頼することをおすすめします。便器やタンク内には、フロートバルブや浮き球といった見慣れないパーツも多く、素人が手を加えるのは危険だからです。
ラバーカップなどで解決できなかった場合は、つまりが重度であると考えられます。水位が高かったり、水位が下がるまで時間がかかったりする場合も、排水管の奥に何かがつまっている可能性が高いです。
トイレに持ち込んだものを誤って流してしまった場合も、業者に依頼したほうがよいでしょう。
ボールペンやスマートフォン、ハンカチなどが考えられますが、固形物はラバーカップで取り除こうとすると、さらに奥に入ってしまうことがあり、それによってつまりが重度になるおそれがあります。排泄物やトイレットペーパーが固形物に引っかかって、つまりが悪化することもあります。
その他、ウォシュレットの不調や便器の破損なども自力での解決が難しいので、業者に依頼しましょう。
トイレの修理業者は、どのようなトラブルに対応してくれるのでしょうか。ここでは、業者に依頼できるトラブルの種類を紹介します。
トイレのつまりは、業者が対応してくれる代表的なトラブルです。一口にトイレのつまりといっても、原因はいくつかあります。主な原因は以下のとおりです。
・大量のトイレットペーパーがつまっている
・異物がつまっている
・尿石によるつまり
トイレットペーパーを大量に流すと、トイレがつまることがあります。トイレットペーパーが原因のつまりは多く、全体の約8割に上ります。最近のトイレは節水型で、排水管も細めに設計されているため、つまりやすいといわれています。
トイレは、異物を落とすことによってもつまります。男性の小便器でよく見られるのは、尿石によるつまりです。尿に含まれているカルシウムが固着して、つまりが生じるのです。
トイレ修理業者は、大量のトイレットペーパーのつまりにはローポンプなどを使います。ローポンプの仕組みはラバーカップと同じですが、より強い力で吸引できます。吸引だけでなく加圧もでき、これらを繰り返すことで効率的につまりを解消します。異物は便器を分解して直接取り除き、尿石は強酸性の薬剤で溶かすなど、原因によって異なる方法で対処します。
トイレの水漏れも、修理業者に依頼できます。
トイレの水漏れも状況はさまざまで、どこからどのように漏れているかによって対処法が変わります。よくあるのはタンクと便器の接続部分からの水漏れや、トイレと床の間から水が漏れて、床が水浸しになるケースです。
トイレの水漏れ原因で多いのは、パッキンの劣化です。パッキン以外の部品が原因の場合は、ナットの緩みや配管そのものが経年劣化で損傷していることもあります。あまり多くありませんが、便器そのものが経年劣化によって破損することもあります。
修理を行う際は止水栓を閉め、トイレやタンクを取り外して中のパッキンなどを交換します。トイレやタンクを外さなければならないような大規模な修理も、業者に依頼できます。
トイレの水が流れない、流れが悪いといったトラブルも業者に依頼できます。
症状としては、以下のようなものがあります。
・レバーをひねっても水が出ない、出にくい
・手洗い器から水が出ない、出にくい
・タンク内に水が貯まらない
レバーをひねっても水が出ない場合は、レバーとタンク内のゴムフロートを連結しているチェーンの異常が考えられます。チェーンが切れていたり、錆びていたりするということです。
手洗い器から水が出ない場合は、手洗い器に連結されているホール類の接続が緩くなっていることが考えられます。手洗い器の種類にもよりますが、ゴミなどを除去するフィルターが付いているものがあり、そのフィルターがつまっていると水の流れが悪くなります。
トイレタンクの中にはボールタップやオーバーフロー管、ゴムフロートなどがあり、ゴールタップの先には浮き球がついています。タンク内の水が少なくなると浮き球の位置が下がり、ボールタップの弁が開いて給水される仕組みになっています。よって浮き球やボールタップに異常があると給水がうまくいかず、タンク内に水が貯まりにくくなります。
タンクを開いて中を見ると原因を特定できることがあり、自力で解決できることもあります。自力での解決が難しい場合や、原因がわからない場合は業者に依頼しましょう。
トイレ修理業者は劣化した部品を交換したり、便器自体が破損している場合は便器を交換したりすることで、トラブルを解決します。
トイレの水が流れ続けるという異常も、業者に依頼できます。
具体的な症状は以下のとおりです。
・便器に水が流れ続ける
・手洗い器の水が流れ続ける
・タンク内で少量の水が流れ続ける音がする
水が溢れると床が水浸しになってしまうので、なるべく早く対処したいところです。水がチョロチョロと流れ続けていると、無駄な水道代がかかります。
水が流れ続ける原因としては、タンク内のゴムフロートが機能していない、ボールタップや浮き球が破損しているなどが挙げられます。オーバーフロー管は水位の高さを感知して水の流れを調節する部位ですが、管にひび割れなどがあると正常に機能しないことがあります。
修理業者は原因を特定してからボールタップや浮き玉などを交換し、タンク内の水位を調節してこれらのトラブルを解消します。
基本的にウォシュレットや便器の交換も修理業者に依頼できますが、場合によってはメーカー対応となるケースもあります。
ウォシュレットから水が出ない、便器が割れてしまったといった場合は、ウォシュレットや便器を交換します。
修理業者の中には、メーカーからの取り寄せから交換までをワンストップで行ってくれるところもありますが、交換のみを行う修理業者もあります。故障や破損の程度によって部品の交換になったり、使用年数が長く不具合が多い場合は便器一式の交換になったりします。
ウォシュレットの基盤が故障しているといった電気系統の不具合は、基本的にメーカー対応となります。
トイレは、分離型トイレと一体型トイレに大別できます。分離型トイレとはタンク、便器、便座を組み合わせたもので、一体型トイレはそれらが一体になっているものです。
それぞれのメリット・デメリットついて、見ていきましょう。
分離型トイレの主なメリットは以下のとおりです。
・購入費用を抑えられる
・修理の際、パーツごとに交換できる
・パーツによって機能を選べる
分離型トイレはメジャーなので、多くの人が目にしたことがあるでしょう。パーツが分離しているため、故障した場合はその部分だけを交換できるので、修理費用を抑えられます。リフォームの際も、比較的低コストで導入できます。またパーツごとに機能を選択できるめ、機能を絞れば費用を抑えられます。
一方、分離型トイレには以下のようなデメリットがあります。
・掃除がしにくい
・デザイン性に乏しい
パーツの連結部分など全体的に凹凸が多いため、掃除の手間がかかります。また汎用的なトイレなので、おしゃれな空間を演出したい場合は向きません。
一体型トイレの主なメリットは、以下のとおりです。
・掃除がしやすい
・スタイリッシュな空間を作れる
一体型トイレは全体的に統一感があるので、おしゃれな空間を作れます。トイレは毎日使用するものであり、デザイン性が高いと使う人をリラックスさせることができます。また出っ張りが少ないため、掃除がしやすいこともメリットといえるでしょう。
一方で、一体型トイレには以下のようなデメリットがあります。
・導入費用が高い
・一部が故障すると全体を交換しなければならない
・機能の組み合わせができない
一体型トイレは便座だけ、ウォシュレットだけ直すということができないため、修理費用が高くなりやすいことがデメリットです。
上記のトイレの他、近年増えているのがタンクレストイレです。タンクレストイレは一体型よりもさらに見た目が洗練されており、圧迫感がないためスタイリッシュです。タンクがないので、水を流す際は水道から直接水を流し込む仕組みになっています。
業者に依頼する際、どこにすればよいか迷うこともあるでしょう。残念ながら、不当な料金を請求する修理業者がいるのも事実です。ここでは、修理業者を選ぶ際に注意する点について紹介します。
・無料と思わせる手口
Webサイトや広告では「見積もり無料」と謳っているにもかかわらず、実際に見積もりを依頼すると代金を請求する業者もあります。また、見積もりを取った後で作業を依頼したら無料になるという業者もあります。その場合、見積もりに納得できず依頼を見送ると、見積もり料を請求されることがあります。
Webサイトや広告に「無料」と記載されている場合は、隅々までしっかり目を通すことをおすすめします。小さい文字で、こちらに不利な条件が記載されていることがあるからです。
・半ば強引に契約させようとする
このような業者は「今修理しないと大変なことになる」と不安を煽りながら、契約を迫ってきます。また、威圧的な態度を取る業者にも注意してください。
・不要な工事や大がかりな工事をしようとする
部品の交換だけで済むにもかかわらず、大規模な工事をすすめる業者もいます。トラブルを避けるためには、修理内容が適切か、料金が見合っているかをよく検討することをおすすめします。見積書を受け取ったら、頼んでいない工事や関係ない工事、内容が理解できない工事が含まれていないか確認しましょう。
基本料金や作業料、部品代など、内容を丁寧に説明してくれる業者は信頼できます。また、ホームページや広告の内容と実際の対応が一致しているかどうかも確認しましょう。例えば「トイレ修理6,000円」と書かれていても、それは作業料金だけかもしれません。それだけで悪質とはいえませんが、納得していないのに作業を依頼するのは避けたほうがよいでしょう。
不審に感じる部分や納得できない部分があれば、毅然とした態度で断りましょう。水回りの異常は早急に解決したいところですが、焦ってよく検討せずに修理を依頼すると後になって法外な料金を請求されるおそれがあります。
それだけでなく、工事そのものが雑だったり、アフターフォローもなかったりすることも考えられます。たとえ見積料などを支払ったとしても、それぞれの業者を比較検討し自分が納得できる修理業者に依頼をしましょう。
トイレの水回りで異常が発生したら、まずトイレの止水栓を閉めましょう。止水栓を閉めることで水漏れは止まるため、二次被害を防げます。
止水栓は水の流れを調整するもので、一般的にはトイレタンクに連結されている給水管の先にあります。栓の種類は大きく分けて、ハンドルタイプ、ドライバータイプ、内ネジタイプがあります。
ハンドルタイプは、道具がなくても手で閉められます。ハンドルを握って時計回りに回しましょう。ドライバータイプと内ネジタイプは、どちらもマイナスドライバーで閉めます。手をケガしないように手袋をして、ドライバーで時計回りに回します。
タンクレストイレの場合は、便器後方のパネル内部に止水栓があるものもあります。止水栓を閉める際は後で戻せるように、回した回数を覚えておくとよいでしょう。普段はあまり触らない部分であり、サビや固着で堅くなっていることもあるので注意してください。止水栓をうまく閉められない場合は、家全体の元栓を閉めます。
戸建ての場合、元栓は敷地内の地面に埋められているメーターボックスの中にあります。マンションの場合は玄関の外の壁にあるパイプシャフトの中、アパートの場合は一般的に建物外部の駐輪場や駐車場などの共有スペースにあります。
元栓の場所がわからなければ、管理会社に問い合わせましょう。賃貸住宅の場合は修理業者に依頼する前に、大家や管理会社に連絡するのが原則です。そうすると、大家や管理会社から修理業者に依頼してくれます。自分で勝手に修理業者を呼ぶと、管理会社が把握していなかったことで後々トラブルになるおそれがあります。
戸建ての場合は自分で業者に連絡して状況を説明し、出張見積を依頼します。一般的に業者への連絡は電話で行います。
見積書の主な項目は出張料、作業料、部品代です。見積書を受け取ったらホームページの記載と異なっていないか確認し、作業内容については事前に説明してもらいましょう。
その後、業者の作業担当者がトイレの修理や部品の交換などを行います。症状によりますが、多くの場合はその日に解決します。修理が完了したら修理箇所の説明を受け、現金やクレジットカードなどで料金を支払います。
ここでは、トイレの修理業者に依頼した場合の料金の相場を紹介します。実際の料金は業者によって異なり、またホームページなどに記載されている料金は作業料のみで、出張料や部品代が入っていないこともあるので注意してください。
深夜や早朝に作業を依頼する場合は、深夜・早朝料金などがかかることもあります。トイレの修理料金の相場は、以下のとおりです。
・トイレのつまり(軽度なつまり) :4,000円~8,000円
・トイレのつまり(専用器具を使用):7,000円~20,000円
・トイレのつまり(便器脱着作業) :1万円~20,000円
・排水管のつまり修理 :7,000円~10,000円
・トイレの水漏れ修理 :4,000円~15,000円
・水が出ない場合の修理 :6,000円~10,000円
・水が流れ続ける場合の修理 :6,000円~15,000円
トイレつまりの専用器具とは、高圧ポンプやローポンプなどのことです。専用器具を使用するほど重症の場合は、一般的に料金が上がります。水漏れは軽作業だけで済むケースもありますが、タンクの脱着を必要とする場合は料金が高くなります。
修理業者の事業所が離れている場合は、出張料がかかることもあります。
ここでは、トイレ修理業者の選び方のポイントを紹介します。
・十分な施工実績があるか
施工実績は、ホームページなどで確認できます。年間施工数が多いほうがよいのですが、実際の工事事例なども参考になります。どのような異常に対応できるのかがわかりますし、類似の事例があれば作業時間や修理費用などを事前に把握できます。
事例は写真付きで、依頼主の手書きのコメントが載っているのが理想です。また、業歴も確認しておきましょう。基本的には業歴が長いほうが経験と実績が豊富で、顧客から信頼を得ていると考えられるからです。
・自宅が業者の対応エリアに入っているか
自宅が業者の対応エリアに入っているかどうかも確認しましょう。その際は都道府県単位で見るのではなく、市町村ごとに営業所などがあるかどうかを見ましょう。自宅が対応エリアに入っていない業者に依頼すると、到着まで時間がかかるだけでなく、出張料もかさみます。
・即日対応が可能か
その日に対応してくれるかどうかも重要なポイントです。水回りの不具合は、日常生活に直接影響するからです。作業の時間帯を指定できるかどうかも、確認しておきましょう。
中にはコールセンターで24時間依頼を受け付けている業者もありますが、深夜や早朝に依頼すると追加料金がかかることがあります。止水栓を閉めておけば被害の拡大を防げるので、作業は日中にしてもらうとよいでしょう。
・到着までどのくらいかかるか
なるべく早く不具合を解消したい場合は、自宅から近い業者を探します。電話で問い合わせた時に、「到着までどのくらいかかりますか?」と聞いておきましょう。
・アフターフォローはあるか
悪質な業者に依頼すると、アフターフォローを受けられないこともあります。同じような料金を支払うなら、アフターフォローが充実している業者を選びましょう。具体的には「修理後一定期間に同様の症状が出た場合は無料で対応してくれる」といったものです。
アフターフォローが充実しているということは、しばらくは問題が起こらない自信があるということです。多くの場合、アフターフォローの有無は技術力の高さを表します。
・料金が極端に安すぎないか
料金が高すぎるのは論外ですが、安すぎる場合も注意が必要です。
例えば「技術力が低い」「経験の浅い職人が対応する」「作業時間を短縮するために雑な工事を行う」といったことが考えられます。
中には作業の途中で見積を変更し、高い料金を請求する業者もいます。工事の延長や追加は状況次第であり得ることですが、それが妥当かどうかを見極める必要があります。
広告などでよく見かける「地域最安値」「格安」といった言葉は安易に信用しないほうがよいでしょう。「地域最安値」といえる根拠を記載してないケースも少なくありません。
また「見積もり無料」「出張無料」と書かれていても、小さい文字で例外が記載されていることもあるので、ホームページなどはよく目を通すことをおすすめします。
・水道局指定業者かどうか
水道局指定業者とは、法律や法令で定められた基準で適切に工事ができると各自治体の水道局から認定されている業者のことです。ネットで検索したら上位に表示される業者や、広告をよく目にする業者でも、水道局指定業者ではない可能性があるのです。
「検索結果の上位に表示される業者は信頼できる」と思っている人は少なくありませんが、そうとは限りません。水道局指定業者になるには「給水装置工事主任技術者」という国家資格保持者が在籍している、工事に必要な機器を有しているといった条件があり、それが技術力の高さを証明しています。
水道局指定業者ではなくても問題なく工事を行う業者もありますが、できれば水道局指定業者に依頼することをおすすめします。
トイレは毎日使う場所だからこそ、様々なトラブルに見舞われやすくもあります。もしトラブルが発生してしまったら、プロの修理業者への依頼を検討しましょう。業者の中には不親切な所もあるため、選定は十分慎重に行う必要があります。
トイレのトラブルの種類から、業者選びのポイントまで解説してきました。トイレのトラブルにはつまりや水漏れなどがあり、原因が明確で軽度のものなら自力で解決できることもあります。一方で原因がよくわからない場合や、自力で解決することが難しい場合は、できるだけ早く業者に修理を依頼しましょう。
業者に依頼する際は、見積書や説明に不審な点がな
いか確認し、信頼できる業者かどうかを見極めましょう。トイレのトラブルが発生して業者に依頼する際は、この記事を参考にしてください。
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