賃貸のトイレで水漏れが起こったとき、やるべきことは4つあります。
賃貸のトイレの場合、水漏れが起こったら管理会社や大家さんへ連絡するのが基本です。しかし、管理会社へ任せきりにして、放置しているのは問題です。
できる限りの応急処置を行い、管理会社へ連絡したうえで、軽微な水漏れであれば自分で直すことも考えましょう。
また、賃貸契約書を確認することも大切です。賃貸契約書には、水漏れが発生した際の取り決めについて書かれています。
ここでは、賃貸のトイレで水漏れが起こったとき、真っ先にやるべきことを解説します。
賃貸のトイレから水漏れが起こったとき、まずすべきは応急処置です。
水漏れに対する応急処置として、次の3つを行いましょう。
トイレの給水管から水が漏れている場合、止水栓を閉めるのが一番の応急処置です。止水栓とは、トイレへの水の供給を調節する栓のことで、給水管の途中に備えられています。ドライバーやハンドルで右に回せば閉まります。
止水栓の閉め方は以下の動画で詳しく説明しています。止水栓の位置や閉め方が分からない場合は参考にしてみてください。
ウォシュレットトイレの場合は、電源コードを抜いておくことも重要です。コードを刺したままにしておくと、漏電の恐れがあります。電源コードを抜く際は、ゴム手袋をつけて感電しないよう十分注意してください。
給水管や床下からの水漏れによって床が水浸しになっている場合は、キッチンペーパーなどで拭いておきましょう。その後の修理作業を安全に進められます。
賃貸のトイレから水漏れが起こった際は、賃貸契約書を確認することも大切です。
賃貸契約書には、部屋の設備に問題が発生した際の取り決めが記載されています。この取り決めに従って、行動してください。
たいていの契約では、管理会社や大家さんに連絡して、対処策を問い合わせることになっています。しかし、中には特約で、設備の修繕は借主が負担すべきとされている場合があるので、確認しましょう。
取り決めに従わずに、自己判断で修理などを行った場合、修理代やその他の費用を請求される可能性があります。必ず契約書を確認したうえで、適切な行動をとりましょう。
応急処置を行ったうえで、水漏れ被害が大きくなければ、自分で直せないか検討してみましょう。軽微な水漏れであれば、自力で直すことは十分可能です。
給水管から水が少しだけ漏れている、といった程度の水漏れであれば、パッキンの交換などで直せる場合があります。この程度の簡単な修繕は、借主が負担すべきとする賃貸契約もあります。
ただし、決して自己判断だけで無理に直そうとしてはいけません。被害が大きかったり、自力での対処に自信がない場合は、管理会社や大家さんにすぐ連絡しましょう。
なお、設備の修繕は借主が行うものとしている契約では、自力でもしくは自分で業者を探して直してください。
賃貸契約書の取り決めを確認したうえで、自分で直すことが難しいと判断したなら、すみやかに管理会社や大家さんへ連絡しましょう。
管理会社へ連絡する際は、水漏れ被害の状況について答えられるようにしましょう。水漏れ箇所や原因、現在の状況、いつから漏れているのかなど、一通り伝えておけば、その後のやり取りがスムーズに進みます。
管理会社では、賃貸のトイレで水漏れが起こった場合の対処策を用意してある場合が多いです。業者の手配までやってくれる場合もあるので、いち早く対処するためにも、管理会社へ早めに連絡を取るのが大切です。
賃貸のトイレで水漏れが起こった場合、気になるのは修理費用についてです。賃貸の場合、誰が払うべきなのでしょうか?
賃貸のトイレの場合、水漏れ修理にかかる費用は、基本的に貸主が支払います。しかし、いくつかのケースでは、借主が負担しなくてはならない場合もあります。
ここでは、賃貸のトイレで水漏れが起こった際、修理費用は誰が払うべきなのかについて解説します。
賃貸のトイレの水漏れは、基本的に貸主に修理する義務があると法律で決まっています。
民法606条では、貸主の修繕義務に関して、次のように定めています。
賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。
ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない。
引用:民法606条
賃貸物件は、貸主が所有し管理しているものです。そのため、修理する必要が出てきた場合、直す義務は貸主にあるのです。
ただし、条文にもある通り、借主に責任がある場合は、貸主に修理する義務はありません。
トイレを普通に使っているなかで水漏れが起こった場合は、貸主負担になります。しかし、借主がトイレを壊して水漏れが起こった場合は、借主が自分で直さなくてはならないのです。
水漏れ修理にかかる費用が貸主負担の場合、まずは契約書を確認したうえで管理会社へ連絡しましょう。
管理会社へ連絡すれば、対処法を教えてもらえるでしょう。業者を手配する場合も、費用は基本的に管理会社持ちとなります。
しかし、管理会社によっては、すぐに対処してくれるとは限りません。
緊急時にもかかわらず、いつまでたっても管理会社が修理してくれない場合は、自分で業者を手配してもかまいません。民法第608条では、賃借人による費用の償還請求を認めています。
修理費用を後で返してもらうために、自分で業者を手配した場合は、必ず領収書を受け取っておきましょう。
借主が水漏れ修理費用を負担するのは、以下のような場合です。
水漏れの責任が借主にある場合は、貸主の修繕義務は免除されます。トイレを故意に壊したり、トイレを分解・改造したりすることで起こった水漏れは、借主自身が修理費用を負担してください。
設備の修繕は借主負担とする特約がある場合も、借主が修理費用を負担します。賃貸契約書をよく確認しておきましょう。
また、ごくまれなケースですが、修理費用が高額になる場合も、貸主の修繕義務が免除されます。
ただし、これは建物自体を修理するような、大規模な工事の場合です。トイレのみの修理にかかる費用は、基本的に貸主に修繕義務があるので、払ってもらいましょう。
水漏れ修理にかかる費用が借主負担の場合、自分で修理するか、業者に修理を依頼して対応しましょう。
給水管とトイレタンクのつなぎ目や給水管と止水栓のつなぎ目、止水栓自体からの水漏れは、パッキン交換などで直せる可能性があります。詳しい修理方法については、後ほど簡単に解説します。
症状が重かったり、自分で修理するのが不安な場合は、修理業者に依頼しましょう。修理費用の相場は、以下の通りです。
作業内容 | 修理費用相場 |
止水栓や排水管の交換・調整 | 6,000~15,000円 |
トイレタンクの部品交換・調整 | 6,000~10,000円 |
トイレタンクのひび割れ | 47,000〜85,000円 |
便器のひび割れ | 30,000〜95,000円 |
止水栓や排水管を調整する程度であれば、費用は比較的安くすみます。しかし、便器やタンクにひびが入り、新品への交換が必要な場合は高額になるでしょう。
なお、相場よりも高すぎたり、逆に安すぎたりする費用を提示する業者は、悪徳業者の可能性があります。業者選びの際は、相場に近い値段で修理してくれるところを選びましょう。
賃貸のトイレで起こった水漏れには、慎重かつ迅速に対応しなくてはなりません。さもないと、思わぬトラブルに見舞われることがあります。
賃貸のトイレの水漏れでよく起こるトラブルは、次の4つです。
ここでは、上に挙げた4つのトラブルへの対応策について解説します。
賃貸のトイレの水漏れでは、被害が他の入居者にまで及ぶ可能性があります。
特に気を付けたいのは、下の階の部屋の入居者です。水漏れが床下にまで浸水した場合、下の階の住人の家財を破損させてしまうかもしれません。
他の入居者にまで被害を拡大させないためには、水漏れが発生したらすぐに管理会社へ連絡することです。そのうえで、下の階の住人に事情を説明しておくとよいでしょう。
なお、水漏れによって他の住人の家財を破損させた場合、個人賠償保険の補償を受けられる可能性があります。個人賠償保険は、入居時に契約した火災保険の特約として加入していることがあるので、一度確認しておくとよいでしょう。
普通にトイレを使っていて水漏れが起こった場合、修理は管理会社がしてくれるはずです。しかし、中には対応の遅い管理会社もあります。
いつまで経っても管理会社がトイレを直してくれない場合は、自分で業者を見つけて修理してもらいましょう。
修理後は、領収書を必ず保管してください。後で管理会社へ請求するためです。
また、水漏れの責任が借主にない場合は、家賃の減額を求めることができると、民法第611条で定められています。
賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、それが賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、賃料は、その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて、減額される。
引用:民法611条
管理会社と交渉する必要があるので大変ですが、あまりにもずさんな対応をされたときは、家賃の減額請求を検討してもよいでしょう。
借主負担で修理する場合、費用が思いがけず高くなる可能性があります。
特に、水漏れの場合、床や壁への浸水が起こりえるため、トイレの修理だけでは済まない場合が考えられます。
トイレからの水漏れで床や壁を修繕する場合は、「借家人賠償責任保険」という保険で補償される可能性があります。
借家人賠償責任保険は、火災保険の特約として加入していることがあるので、確認してみてください。
また、火災保険によっては、水漏れによる被害を補償してくれる場合があります。水漏れによって家財が破損した場合、契約者に落ち度がなければ、補償が受けられます。
賃貸のトイレの水漏れでは、保険がトラブルの解決手段となる場合が多いです。ぜひ一度、ご自分の契約を確認してください。
水漏れによって水道料金が高くなったときは、水道局に申請すれば減免してもらえるかもしれません。
水道局に減免申請をする際は、業者による修理報告書が必要です。修理報告書は水漏れ修理後に業者から受け取れます。
ただし、減免してもらえるのは、壁の内部や床下など、発見するのが難しい箇所の水漏れである場合のみです。
トイレの水漏れの場合、給水管や止水栓などからの水漏れが多いため、減免申請は通らないかもしれません。こういう制度が使えるかもしれない、ということだけ一応押さえておきましょう。
賃貸のトイレの水漏れは、軽微なものであれば自分で直せます。
ただし、直せるのは基本的に給水管周りで水漏れが起こっている場合です。その他の箇所からの水漏れは、専門的な技術がなければ不可能であるか、難易度が高く自力での修理にリスクのあるものです。
賃貸のトイレは、勝手に修理すると後から費用や賠償金を請求される恐れがあります。決して無理に直さないようにしましょう。
ここでは、賃貸のトイレの水漏れ原因と直し方について、簡単に紹介します。
賃貸のトイレの水漏れで、比較的簡単に直せるのは、次の3か所からの水漏れです。
タンクと給水管の接続部から水漏れが起こっているのは、ナットの緩みかパッキンの劣化が原因です。止水栓を閉めてから、接続部のナットを締めてください。それでも直らない場合は、レンチで緩めて中のパッキンを交換しましょう。
止水栓と給水管の接続部からの水漏れも、ナットの緩みかパッキンの劣化が原因です。同様に、止水栓を閉めて、ナットを締めて、それでも直らなければ中のパッキンを交換してください。
止水栓から水漏れが起こっている場合は、止水栓内部の三角パッキンとコマパッキンの劣化が原因です。止水栓を閉め、プライヤーなどでナットをゆるめて、中の三角パッキンとコマパッキンを交換します。
注意点として、給水管が劣化している場合は、無理にナットを回さないでください。破損させてしまう恐れがあります。
その他、詳しい修理方法については、以下の記事も参考にしてください。
賃貸のトイレの修理は、決して無理せず、できる範囲で慎重に作業を行いましょう。
「トイレから水漏れが起こっているのに、水漏れ箇所がわからない……」そんな場合は、単なる結露で濡れている可能性があります。
トイレで結露が起こる原因は、湿度や他の部屋との温度差です。湿気の多い日や、トイレと隣接するリビングなどの温度が高いときなどは、トイレで結露が起こり、水浸しになることがあります。
また、トイレタンク内の水の温度と気温の差によっても、結露は発生します。加えて、湿度の高い日であれば、真冬でなくても結露で濡れることはあり得るのです。
トイレから水漏れが起こったと慌てる前に、まずは原因を探ってください。原因が見つからなければ、結露の可能性があるので、様子を見るのがよいでしょう。
賃貸のトイレの水漏れは、基本的に管理会社が修理するものです。きちんと応急処置をしたのちは、すぐに管理会社へ連絡するようにしましょう。
ただし、水漏れの原因が借主にある場合や、特約で定めがある場合は、自分で修理する必要があります。業者に依頼した際の修理費用も自分で払いましょう。
賃貸のトイレは、基本的に貸主が所有するものです。日頃から大切に使い、トラブルが起こった際は、賃貸契約書を確認し、適切な対処をとるよう心がけましょう。
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